buttonライヴハウス巡り (5/30 - 6/20)

たぶんVol.2 - part2


2004.6.1. 下北沢シェルター

 普通に登場して、普通に演奏して、終わり、っていうライヴは、いくら激しく演奏して「ぶっ壊せ!」と叫んでもも、実際のところ何も壊してないじゃんって言う気になってくる。そういう意味で、ミルクティースはライヴハウスでの演奏スタイルから逸脱しようという試みなんじゃないかと思う。壊すのではなく、ズラすのだ。

 具体的にはSEを使いまくり、ラジオ番組のように「ショー」が進行していく。もちろん、肝心の音楽がダメだとつまらんものになってしまうけど、L⇔Rのような切なさが入り交じった歌をポリシックスのような電子音とパンキッシュなギターが組合わさったサウンドスタイルでやるという、疾走感が気持ちいいものになっている。

 他にもジャズを取り入れたり、アサコ・ジャパンが歌う80年代風アイドルソングとかバラエティが広くて楽しい。最後はギター&ヴォーカルのシャクシロが降りてきてお客さんにインタビュー、と言っても応答はあらかじめ録音されているものなので、マイクを向けられて、困っているお客さんのリアクションを楽しむものになっている。このように最初から最後まで完結したショーでこの作り込んでいるのにインディーズ的というか、手づくり感があるのがこのバンドの魅力だろう。



 このバンドをまとめて扱うのは、両バンドとも、

・ギターがグレッチ
・ベースがリッケンバッカー
・3人組
・The Whoのカヴァー

 という共通点があるからで、要するにシンプルでタイトでソリッドなロックンロールバンドなのである。この手のバンドは流行っているのでしょうか。SIXはドラムの激しさが印象に残る。WHOのカヴァーは"The Kids Are Alright"で、ドラムはキース・ムーンと遜色ないと言ったら言い過ぎだろうか。一方、The Youngman Psycho Bluesは、バンド名、そして黒スーツにネクタイという姿でミッシェルガン・エレファントが好きだということがよく分かるわけだが、ベース&ヴォーカルの人が童顔のいい男なんで女子の人気は頷ける。こちらは"My Generation"をカヴァー。まあ、何と言うか同じテイストのバンドを続けて観ると、比較広告って感じになりますね。


works :

"Return To Myself" : SIX
"Afterschool Breakout!!!!! " : The Youngman Psycho Blues
"TeenageRocks " : The Youngman Psycho Blues

2004.6.1. 下北沢251

 この一個前のバンドはキャプテンズで「今日も良かったねー」とか思っていところに出てきたのがGOLD 77というバンドだった。一緒に観ていたSさんが「あっ!」と言い、ステージの前まで駆け寄り、やがて絶望的な顔して帰ってきた。「WINOのチョッコウだよ〜」。WINOとは、おれが思うに日本で最も過小評価されたバンドのひとつで、ストーンローゼス、シャーラタンズ、オアシス、プライマル・スクリームの要素を日本語の詞に乗せたのが可能性と才能を感じさせていた。おれは初期のWINOのことを大好きだったのだけど、一般洋楽ファンにはパクリバンドとして忌み嫌われたのだった。

 去年、WINOは残念ながら解散し、目の前で演奏しているのは、中途半端なヴィジュアル系崩れ、ヴォーカルの口から出てくるのは陳腐な歌詞、GLAYとかソフィアとか、そういうバンドの名前を思い出す。だけど、ギターの音は90年代のイギリスを通過した、つまりはWINOの音なのだ。しかも曲自体は微妙に良い。だから思うのだ「本当にそのヴォーカルでOK」なの?確かに、このバンドならスヌーザーに取り上げられることも、意地の悪い洋楽ファンに見つかってバッシングされることもないだろう。だけど、WINOの魅力とは、自分が聴いていた音楽からの影響を素直に出し、それをちゃんとした日本語に乗せたことなのである。GOLD 77を観ていると、WINOでのトラウマがかなり深いらしく、それが悲しみを誘うのだ。


works :

"23"


written by nob

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